はじめに

 2008年から真空管アンプの製作に熱中しています。気が付くとすでに10台以上も作ってしまい、そろそろ置く場所もなくなってきました。せっかくここまでやったことでもあるので、これまでの制作結果を少しまとめて見ようと思いこのページを立ち上げました。

 そもそもこの世界にはまったきっかけは、数年前にかつての「初歩のラジオ」の真空管アンプ製作記事の復刻抜粋版を本屋で見かけてからです。子供の頃を思い出しながらこの中のdead copyを製作しているうちに血が騒ぎだし、2作目からは回路設計やシャーシ加工も含めて完全自作で製作を始めました。

 電気回路に関しては、子供の頃から好きでもあり現在の仕事とも多少は関係しているので、特に困ることもありませんでした。しかしシャーシ加工のためには金属加工の道具一式を調達し、更に測定装置としてオシロスコープ、発信器、交流電圧計等を買いそろえ、総額では相当な出費となってしまいました。

     

お気に入り

 昔からクラシック音楽が大好きです。特に弦楽器のバロック音楽、ロマン派〜印象派のピアノ曲、ルネッサンス期の清楚な声楽曲等の室内楽が好みです。好きな作曲家は、断トツでR.シューマンです。でも最近はドビッシーのオシャレな音楽もなかなか良いかなと浮気ぎみです。

 こんな訳で音量はいらないけれど「静かできれいな響き」が、自分の理想とする真空管アンプです。それで試行錯誤をくり返した結果、月並みですが真空管に関しては電圧増幅部も含めて全て3極管か3極管接続のみとなりました。5極管やビーム管、或いはUL接続等は自分の感性にはどうも合いません。

 出力回路に関しては、これもやっぱりシングルアンプが好みです。特に弦楽器に関しては、絶対にシングルアンプだという気がします。多めの2次高調波歪が、音楽には倍音として良い方向へ作用しているように思います。弦楽曲の愛用は、送信管のVT-25シングルです。ピアノ曲はきれいに表現するのが難しいですね。きれいな響きも大事なのですが、弦楽器等と違ってダイナミックレンジと音域の広さが必要な気がします。なので昼間はEL34の3結プッシュプル、夜は2A3シングルを良く使っています。

     

ぶつぶつ

 この世界、ブランド品、特にヴィンテージブランドものが重用されているようです?「球は何年のR◯A、OPTは◯ムラ、それ以外は問題外!」などなどと。自分的には、最初は「はあ〜、あんたら何を言っているんだ。」と思っていたのですが、 あながちそうでもないようです。

 真空管に関しては、確かに同じ型番でもメーカーや年代によって全く音が違う場合も多々ありました。しかし自分的には、必ずしもヴィンテージブランドが常に良いとは思えません。というより実際に測定して見ると、現行球の方がむしろ特性が良かったりもします。でも音楽を聞いてみると、今度はその特性と出てくる音の印象が全く違っていて、「やっぱりヴィンテージ球の方が良いかな?」などと... 結局はサッパリわかりません。 なので(どこが?)自分としては基本的に現行球を使い、その特性を踏まえつつ自分好みの音作りを目指しています(単に高価なヴィンテージ球が買えないだけとも言います)。

 出力トランスに関しては、高いものが良いことに全く異論はありません。ですが、I社、H社、T社とも独自のデザインと塗装なので、出力トランスだけではなく、電源トランスやチョークもお揃いにしないとちょっと格好が悪くなります。ですがそうすると、制作費の軽く6〜7割以上がトランス代になってしまいます。なので不満が残る時もありますが、電源トランス&チョークはノグチ、出力トランスは春日の一番良いやつかソフトン、ここ一番の時だけにISOを旨としています。春日の出力トランスは、帯域ははやや狭いのですが特性や出てくる音がとても素直で、かなり気にいっています。ソフトンは、低域の甘さを除くと全体的にもかなり良いのではないかと思います。

 どんなものでも見た目は大事ですが、真空管アンプでは特にそう思います。時代に逆行する真空管アンプだからこそ、毎日磨き上げて大切に飾っておく骨董品のような風格がほしいと考えます。春日の出力トランス等は、高いものでもせいぜい黒色カバー付きのバンドタイプです。ですがこの無骨さがかえって味を出すこともあります。6CW5(PP)では、デザインだけの理由であえてケースタイプのISOを止めて春日の出力トランスを採用しました。

 シャーシ加工は大変で苦痛という話を良く聞きますが、自分は大好きです。おそらく制作行程全体の中で、回路設計と並んで一番好きな作業です。完成した姿を想像しながら部品のレイアウトをあれこれ考えて設計図を作り、無垢のシャーシに大穴を開けて行くのが醍醐味です。流石に電源トランスの大穴だけは嫌ですが...

     


**お願い** ホームページ中の回路図等は、ご自由に使用して頂いて構いません。ホームページ全体のリンクもフリーです。もし他のホームページページ等に部分的に転載される場合には、メールでご連絡をお願い致します。また申し訳ありませんが、回路や制作内容についてのご質問やお問い合わせはご遠慮頂きたいと思います(自分はプロでもなく、また質問にお答えする時間的な余裕もあまりないもので...)。

追記. 2012.8に「手作りアンプの会」に入会させて頂きました。技術的な御質問は、そちらの掲示板を御利用頂ければと思います。私も時間のある時には、参照しています。

メール: nori0amp@yahoo.co.jp

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