USB-DAC (AKI・DAC-U2704) 



 最近評判になっている秋月電子通商の USBオーディオコンバーターキット(AKI・DAC-U2704)を、遅ればせながら作ってみました。概要についてはいろいろなところで紹介されているので省きますが、このキットはPCM2704のチップを用いたシンプルなΔΣ型の16 bit Stereo DACで、コスト・パフォーマンスの良さが人気を呼んでいるようです。最初の写真がキット一式で、4.5cm四方の小さな基盤と部品が梱包されています。値段はたったの1,700円です(これならおもちゃにしても惜しくないし...)。

 ただしΔΣ型のコンバーターに不可欠なLPF(ローパスフィルター)や増幅機能は一切備わっていないので、この辺は自分で準備する必要があります。また他のHP等でも紹介されていますが、使われている部品がオーディオ用途としてはちょっとお粗末です。特にケミコン類が、D.C.5Vのバスパワーに対して何故に耐圧25Vなのかと?「これじゃケミコンがきちんと自己回復しないよ。容量も小さすぎるし。ひょっとして売れ残りの部品を詰めていませんか?」

 ということで、皆さんがやっているとおり電源系及び段間カップリング系のコンデンサーを全て取り替え、一番容量の大きな平滑コンデンサーを除いて全てSANYOのOSコンデンサーとしました。以下はオリジナル回路と取り替えた部品の一覧です。なお負荷インピーダンスに関係するR6-R9は、今後作成予定のラインプリアンプの兼ね合いで、変更或いは取り外すことになるかもしれません。また言い忘れましたが、OSコンデンサーを使う場合にはかなり長期間のエージング、最低でも1週間位のエージングが必要です。



C5, C6330μF(10V) OSコン
C11330μF(10V) OSコン
C141000μF(10V) ケミコン
C16, C17330μF(10V) OSコン

 主要部品はすでに基盤上に取り付けられてあるので、組み立て自体はあっと言う間です。完成品を実際にMacintoshにつないでみると、Plug & PlayでUSB- DACと自動認識しました。次に入力ソースとしてiTunesを、出力には6CW5の3結PPパワーアンプを直結して、実際の音を聴いてみました。このDACには増幅部がないので、本来はプリアンプが必要なところですが、上記アンプはそれなりのgainがあるのでなんとかドライブが可能です。

 試聴の結果は、「まあ、聴けないこともないか」というところです。高音がザラザラしていて、真空管アンプに慣れた耳には違和感がありまくりで、とても音楽には没頭できません。DAC出力部の残留ノイズを調べてみると、「3.0mV」もあります。やはりΔΣ型のDACでは、1MHz当たりに広がる高周波ノイズの除去が不可欠のようです。ということで、 RLC回路を用いた2次収束性を持つpassive LPFを作ることにしました。




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